【FIREにはお食事券!?】吉野家HD(9861)を20年保有した結果|優待券込み実質利回りを計算

吉野家HD株主優待券


吉野家ホールディングス(9861)を約20年保有し、株価は2倍・年利換算で約3.5%成長。配当は低めだが、年1万円分の優待券込みで実質利回りは約2.6%(取得時換算で約5.0%)に。日常の食費を支える現物支給型の優待は、FIRE生活にも安心感を与えてくれる存在です。

吉野家ホールディングスとは

吉野家ホールディングス(証券コード:9861)は、日本を代表する外食チェーン「吉野家」を中心に展開する持株会社です。

牛丼チェーンの吉野家のほか、「はなまるうどん」「京樽」「千吉(カレーうどん)」などを傘下に持ち、グループ全体として多様な飲食ブランドを展開しています。

国内外に多数の店舗を構え、外食業界の中でも安定したブランド力を誇る企業です。

保有の経緯

2005年7月、吉野家の株を当時の単位株(1株)で約16.5万円で購入しました。

その後、2013年に株式が100分割され、保有株は1株 → 100株に変わりましたが、当然ながら資産価値としては変わらず。

それから約20年が経ち、現在(2025年5月中旬)の株価は1株あたり約3,200円(評価額は約32万円)。つまり20年で約2倍になった計算です。年率換算すると、年利約3.5%ほどの成長です(20年で2倍になったので、年利は \(2^\frac{1}{20} – 1\) で計算でき、約3.5%となる)。

ちなみに、同じ頃に買った壱番屋(ココイチ/7630)は約4倍になっているので、比較すると物足りなさを感じます。


株主優待:年1万円相当の飲食券

吉野家ホールディングスの魅力は、株主優待にあります。保有株数に応じて、吉野家グループ各店で使える500円分の商品券が年2回送られてきます。たとえば200株保有の場合、1回につき10枚(5,000円分)、年間で合計20枚(1万円分)が届きます。飲食代としてそのまま使えるため、外食費の節約に直結し、実質的な配当として生活にうれしいメリットとなっています。

優待内容(年2回)

保有株数年間優待額1回あたりの内容
100株以上4,000円分(500円×8枚)2,000円分
200株以上10,000円分(500円×20枚)5,000円分
1,000株以上24,000円分(500円×24枚)12,000円分
2,000株以上48,000円分(500円×48枚)24,000円分

私は優待券の恩恵を大きくするため、途中で追加購入し、現在は200株を保有しています。200株だと、年に2回・5,000円分ずつ=年1万円相当の優待券が届きます。実質的に「現物支給の配当金」のような位置づけですね。


実質配当利回りの計算

ではここで、実質的な配当利回りを計算してみます(200株保有)。

現在のリアル配当金は、1株あたり20円(税引前)。一方、優待券1万円分を200株で割ると、1株あたり50円相当(税引後とみなす)。これを税引前に換算(÷0.8)すると、62.5円

合算すると

20円(配当) + 62.5円(優待) = 82.5円(実質配当)

現在の株価3,200円で割ると

82.5 ÷ 3,200 = 約2.58%

つまり、実質利回りは約2.6%です。

ちなみに、取得時換算の株価(1株あたり1,650円)で割ると、

82.5 ÷ 1,650 = 約5.0%

取得時から見た実質利回りは約5.0%になります。長期保有によって、インカムゲインの効率は上がっています。


物足りなさもあるが…

  • キャピタルゲイン:年利3.5%(20年で2倍)
  • インカムゲイン:実質配当利回り2.6%

正直、高配当株としての魅力はありません(取得時実質利回り約5%は悪くはないのですが20年ですからねえ)。また、成長株としても大きく伸びたとは言えません。

とはいえ、吉野家グループで気軽に使える優待券は、日常的な外食コストを軽減してくれます。


おわりに

優待券は「吉野家」だけでなく、「はなまるうどん」や「千吉(カレーうどん)」などの系列店でも使えます。うちの子供は「はなまるうどん」も「千吉(カレーうどん)」も好きですし、吉野家の唐揚げもお気に入り。

また、優待券があることで「今日は吉野家にするか」と食事選択の決断に対する負荷が下がるのもありがたいポイントです。これは「人は決断を多く行うと一時的に決断力が低下する(=意思決定のリソースが消耗する)」という心理学的な考え方に基づいています。もちろん体が休まれば回復するものですが、日々の小さな選択肢が減ることで、精神的な疲労を軽減する効果も期待できます。そういう意図もあって、私は飲食店の株を何銘柄か保有しています。

さらに言えば、定期的に食料・食事の現物支給が得られるというのは、心理的にかなり安心感があります。極端な話、飢える心配がないというだけでFIRE(早期リタイア)へのハードルも少し下がるかもしれません。まあ実際に飢えることはないにせよ、生活のちょっとしたアクセントになるのは確かで、こうした優待のある暮らしは気持ちに余裕をもたらしてくれます。

派手な成長や収入はないものの、「生活に寄り添う株」として、これからも保有し続けたい銘柄です。