53歳での早期退職を目指す筆者が、サイドFIRE実現に向けた準備として、マイクロ法人設立と社会保険対策を計画。アフィリエイト収入と投資資産を活用し、生活費をカバーできる見通しが立ったため、会社を辞める決断に至った。法人設立と役員報酬のタイミングを工夫することで、社会保険料の負担を最小限に抑える戦略を紹介。
目次
はじめに
サイドFIRE(セミリタイア+副業継続)を目指している私が、会社員生活を終え、新たなステージへと進むための具体的な準備についてまとめた記録です。
本記事では、退職に向けた判断の背景から、マイクロ法人の設立や社会保険の手続きに関する実務的な工夫まで、リアルな過程を段階的に紹介しています。
私自身の備忘録としてはもちろん、同じようにFIREを目指す方の参考にもなれば幸いです。
なお、今回は主に手続き面の計画についてまとめています。事業内容については後日詳しく紹介予定です。
現状とFIRE決断の経緯
私は上場企業に勤めて20年以上になる会社員です(2025年5月現在)。そんな中で、長年続けてきた副業(アフィリエイトサイト運営)が好調に推移し、ライフスタイルを見直す大きなきっかけになりました。
以下が、FIRE(経済的自立と早期退職)を現実的に意識するようになった背景です。
現状の整理
- 上場企業に20年以上勤務
- 副業としてアフィリエイトサイトを長年運営
- アフィリエイト収入は本業収入の数倍に達し、5年以上安定して継続中
- アフィリエイト収入を活用し、マンションを一括購入済み(ローンなし)
- 本業の給与から、月20万円を20年以上積立投資し、金融資産も蓄積
このような状況から、「会社を辞めても生活に困らないのでは?」という思いが強まりました。
FIREを決断した3つの理由
- 毎月安定したキャッシュフローがある
アフィリエイトサイトからの収入が長期的に継続しており、生活費を十分にまかなえる見通しがある。 - 十分な金融資産を保有している
長年積み立てた投資信託と、高配当株ポートフォリオのインカムで、資産運用からの収入も確保。 - 住居費の負担がない
マンションを現金一括購入しており、ローンや家賃の支出がゼロ。
これら3点の安心材料が揃ったことで、私は53歳で自己都合退職を決断しました。
会社退職後の働き方と体制
退職後の生活設計を考えるうえで重要になるのが、「事業をどう運営するか」「社会保険をどうするか」という点です。ここでは、アフィリエイト事業の扱いと、社会保険対策としてのマイクロ法人設立についてご紹介します。
アフィリエイト事業は法人化しない理由
現在、アフィリエイトサイトは個人事業として運営しており、一定以上の収入があります。所得税や消費税の観点からは法人化による節税メリットもあるのですが、今回は以下の理由から法人化を見送ることにしました。
- 現状
- 所得税はすでに最高税率(45%)に達している
- 経費がほとんどかからないため、消費税の納税負担が大きい(簡易課税も適用外)
- 法人化を見送る理由
- 法人化によってキャッシュの使途が制限される
- アフィリエイトASPの規約変更やBANリスクがあり、法人化によるリスクが高まる
結論:節税よりも自由度と柔軟性を優先し、個人事業として継続。税金は適正に納める方針としています。
社会保険対策としてのマイクロ法人設立
一方で、社会保険の負担増には明確に対策を講じます。
退職後に国民健康保険と国民年金に切り替えると、
- 国民健康保険(介護保険含む)の保険料が前年所得ベースで高額になる(120万円ほど)
- 妻の国民年金保険料も別途発生する(+20万円ほど)
この負担を抑えるため、マイクロ法人を設立して社会保険に加入する戦略を採用します。
- 必要最小限の役員報酬(例:5.8万円)を設定し、社会保険料を抑制
- 法人は投資を主たる事業とし、資本金で投資信託やREITを購入
- 分配金で法人をまわし、当面は赤字でも問題なし
- 将来的には役員貸付などで事業の投資規模を拡大予定
マイクロ法人により、社会保険料の総額は事業主負担を含め二十数万円ほどになる計算です(ざっくりです)。
退職前後の構成イメージ
退職前と後で、収入の形態や保険制度が以下のように切り替わります。
- 現在:
- 本業:会社員(給与所得)
- 副業:アフィリエイトサイト(事業所得)
- 資産所得:株式等
- 退職後:
- 本業:マイクロ法人の役員(役員報酬)
- 副業:アフィリエイトサイト(事業所得)
- 資産所得:株式等
補足:これは制度上、自分が設立した法人に「転職した」のと同じような扱いになります。労働契約ではなく「役員の委任契約」ですが、役員報酬を受けることで社会保険に加入するという点では、通常の会社員の転職とほぼ同じ流れです。
スムーズなマイクロ法人移行のためのスケジュール
退職直後にすべての手続きを一気に行うのは大変なため、「法人設立」と「社会保険の加入先変更」を2段階で進める方法を採用しました。
スケジュール概要
日付 | 内容 |
---|---|
2025年9月1日 | マイクロ法人を設立(役員報酬:0円) |
2025年10月31日 | 勤務先を退職(会社の社会保険終了) |
2025年11月1日 | 役員報酬を5.8万円(仮)に設定、マイクロ法人を通じて社会保険に加入(11月4日に届出) |
- 設立時点(退職前)は、社会保険の加入先は勤務先のまま
- 設立から3ヶ月以内であれば、役員報酬の変更が可能
- 報酬設定変更により、マイクロ法人において社会保険の加入義務が発生し、加入先が勤務先から法人へと切り替わります
- 注意:日付は仮です
この2段階方式で、国民健康保険や国民年金への一時的な移行を回避するのが狙いです。
まとめ
- アフィリエイト収入と金融資産により、53歳でサイドFIREを実現(予定)
- 所得税・消費税は適正に納税しつつ、社会保険料は最小限に抑える戦略
- 退職前にマイクロ法人を設立し、タイミングを調整することでスムーズに移行
おわりに
社会保険の手続きがうまくいかなかったとしても、国民健康保険や国民年金の短期加入が入る程度で済み、大きな損失にはなりません。
気楽に、でも着実に、サイドFIREへの道を進んでいこうと思います。
マイクロ法人の設立や社会保険の加入先切り替えが無事完了し、実際にサイドFIRE生活がスタートしたら、改めてその様子をご報告したいと思います。