FIRE(経済的自立と早期退職)を目指している方にとって、「いくら必要か」「どうやって貯めるか」は避けて通れないテーマです。本記事では、FIREの概要をふまえた上で、具体的な積立計画を立てるためのシミュレーターをご紹介します。
目次
FIREとは何か? 必要なお金と積立の考え方まで
FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、”働かなくても生活できるだけの資産” を築き、早期にリタイアするというライフスタイルです。長時間労働や会社勤めから自由になり、自分の時間を自分のために使える状態を目指します。
代表的なFIREのタイプには:
- Fat FIRE(ゆとりある生活)
- Lean FIRE(最小限の生活費)
- Side FIRE(副業を併用)
があります。たとえば、Fat FIREでは年間生活費500万円以上を想定する一方で、Lean FIREなど200万円以下の生活を前提とするケースもあります。
さらに「FIRO(Retire Optional)」という考え方も注目されています。これはFIRE達成後も働く・働かないを選択できる状態を目指す柔軟なスタイルで、人生の自由度をより高めるアプローチといえるでしょう。
FIREに関する基本的な知識や各スタイルの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています:
【最速FIRE入門】Fat・Lean・Sideなど5タイプのFIRE+必要資産と4%ルール+FIROを徹底解説
FIRE(特にFat FIRE)を実現するには、生活費をまかなえる資産を築く必要があります。一般的な目安として知られるのが、年間生活費の25倍という資産額です。これは「4%ルール」に基づいた考え方で、
- 年間支出:240万円(=月20万円)
- 必要資産:240万円 × 25年分 = 6,000万円
という形で計算されます。
この4%という数値は、株式などへの長期投資における期待リターンとインフレ率を考慮したバランスに基づいています。ただし、実際のリターンは変動するため、保守的に考えるなら3.5%や3%といった控えめな前提を用いることもあります。
このように、必要資産額は「自分がどんな生活をしたいか」によって大きく変わります。さらに、その資産を何年かけて、どのような方法で積み立てていくかを具体的に考えることが、FIREへの第一歩になります。
次章では、これらを数値で具体的に試算できるシミュレーターをご紹介します。
目標額積立シミュレーターを使ってみよう
以下に埋め込んでいる「目標額積立シミュレーター(Savings Goal Simulator)」は、目標金額・運用利回り・積立期間を入力するだけで、必要な毎月の積立額を自動計算してくれるツールです。ChatGPTの助けを借りつつ1時間ほどで作成しました。
シミュレーターの特徴
- JavaScriptのみで動作し、サーバにデータを送信しません(プライバシー上の懸念ゼロ)
- 入力後、計算ボタンを押すとすぐに下記が確認できます
- 毎月の必要積立額
- 年ごとの投資総額・評価額・運用益
- 棒グラフでの推移
- 将来の成果を保証するものではなく、あくまで試算ツールです
年 | 投資総額(万円) | 評価額(万円) | 運用益(万円) |
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シミュレーターを使ってみよう
最初に表示されている数値は、
- 目標金額:5,000万円
- 目標期間:20年
- 年利(複利):6%
となっています。この6%という利率は、S&P500の1927年からの長期平均リターンがおおよそ年6%前後であることから、1つの目安として設定しています。
この条件で積み立てをすると、月々の必要積立額はおよそ10万円です。
では、さらに大きな目標である1億円(10,000万円)を、同じ条件で積み立てるにはどうでしょうか? 目標金額のフォームに「10000」と入力して「計算」ボタンを押してみましょう。期間は20年、年利6%です。
⇒ 必要な毎月積立額は 約20万円となりました。
このように、目標金額を変更しながら「自分にとって現実的なプラン」を検討することができます。
おわりに
FIREは夢物語ではなく、「数字」と「シミュレーション」を通してリアルに見えてくる目標です。
漠然と「お金が必要」と思っているだけでは行動に移すことは難しいものです。しかし、今回紹介したようなシミュレーターを使えば、具体的な金額や期間、利回りなどを可視化でき、「自分にも達成できるかもしれない」という実感が得られます。
また、数値をシミュレーションすることによって、「あと◯年働けば良い」「副収入が月◯万円あれば達成できる」といった、行動可能な目標に落とし込める点が大きなメリットです。精神的な安心感やモチベーションにもつながるでしょう。
重要なのは、現実的な前提で計画を立て、定期的に見直していくことです。FIREは一度計算して終わりではなく、人生や経済状況に合わせて微調整していく長期的なプロジェクトです。
このシミュレーターが、あなたのFIRE計画の第一歩となり、継続的な見直しや改善のきっかけになれば幸いです。
参考文献・リソース
4%ルールの解説
- What Is the 4% Rule? – Investopedia
- Trinity Study – Wikipedia
- 50代でFIREを実現するには?必要な資金と資産形成プランを解説 | iFreeETF | 大和アセットマネジメント